【日経ビジネス】日中首脳会談は関係改善への第一歩となるか

2022/12/14

2002年以来、大きく揺れ動く激動の日中関係を現場で見続けてきましたが、国のトップ同士が実際に顔を合わせて話し合うことの重要性を強く感じています。

先月、日中首脳会談がおよそ3年ぶりに開催され、岸田総理は「よいスタートになった」と評しました。とても良いことだと思います。

しかし、新型コロナ禍が両国間の往来断絶を引き起こしており、日中国交正常化50周年イベントも盛り上がりを欠くなど、日中関係はなかなか改善の兆しがみられません。

足元では、中国政府は「ゼロコロナ」政策を緩和方向へと舵を切り始めましたが、全面解除のハードルは極めて高く、両国民の交流を伴う実質的な両国関係改善にはもうしばらく時間がかかりそうです。

記事はこちら

日経ビジネス 『西村友作の「隣人の素顔」~リアル・チャイナ』過去の連載記事一覧はこちら

【朝日新聞(取材)】<考論>雰囲気に動じず理解を

2018/10/27

北京に住んでいて日中関係が明らかに改善しているのを身を以て感じています。

その主な原因の一つに、相手国に対する「理解」が進んだことがあると私は考えています。人間関係でも同じですが、理解はすべての基礎であり、理解無しに「友好」はあり得ません。

中国人が日本に対する「理解」が進んだ理由の一つが、訪日旅行客の増加です。2013年には131万人だった訪中日国人客数は、2017年には736万人に達し、今年は900万人に達する勢いです。

実際に、それに伴い中国人の日本に対するイメージも大きく改善しています。言論NPO、中国国際出版集団の共同の世論調査では、日本に対し「良い印象を持っている/どちらかと言えば良い印象をもっている」と答えた中国人は、2013年に史上最悪の5.2%でしたが、今年には初めて40%を超え史上最高の42.2%を記録しました。

逆に、訪中日本人はあまり増えておらず、中国に対してよい印象を持っている日本人も13.1%と中国と比較するとかなり少ないです。

ちょうど40年前に締結した「日中友好条約」は、1998年の「二十弱冠」、2008年の「三十而立」を経て、そして今年「四十不惑」を迎えました。

今回の安倍首相の訪中を機に、日中間の様々なレベルにおける交流が活発になり、相手に対する「理解」がさらに進み、日中友好関係が今後いかなる問題に直面しようとも「不惑」となることを願っています。

 

44898844_1202274219910260_6736457668912742400_n

Web版の記事はこちら